
内視鏡検査を初めて受けるとき、前日の準備や当日の流れがわからず不安になることは多いです。胃カメラか大腸カメラかで注意点が異なり、下剤や食事制限など事前の理解が重要です。
このページでは、内視鏡検査を安心して受けるための前日準備から当日の流れまでを医師の視点で詳しくお伝えします。
前日準備:食事制限と持ち物の確認
検査前日は、消化の良い食べ物を選び、軽めの夕食を午後8時までに済ませておくのが基本です。胃カメラ検査ではそれ以降の固形物は控えます。大腸カメラではさらに海藻や根菜など繊維質の多い食材を避け、低残渣食にすることが推奨されます。脂っこいものや香辛料、アルコールも控えましょう。
また、下剤や腸管洗浄液が処方されている場合は、医師の指示どおりに準備し、飲む時間や方法を確認しておくことが大切です。常用薬がある場合も、医師に事前相談し調整が必要な場合は対応しておきます。
持ち物は保険証・診察券・飲料水・タオル・着替えやすい服などを前日までに用意しておき、当日慌てることのないようにします。
当日の流れ:来院から検査開始まで
検査当日は、予約時間よりやや早めに来院し、受付で保険証や問診票を提出します。体調確認後、検査内容の説明や服薬状況、アレルギー歴の確認が行われます。
胃カメラの場合は絶食が条件で、水分補給も医院によって制限があります。大腸カメラでは、腸内の状態を確認しながら下剤の使用や洗浄液の追加が必要なこともあります。
検査着に着替えた後、のどや鼻への麻酔、点滴による鎮静剤の投与などが行われます。方法や体調に応じて対応が変わるため、緊張せず医師の指示に従いましょう。
検査中の注意点と所要時間
内視鏡検査にかかる時間は検査内容や個人差によって異なります。一般的には短時間で終了することが多いですが、ポリープの切除や組織採取(生検)を伴う場合には、やや時間が延びることもあります。
検査中はできるだけリラックスすることが大切です。肩やのどの力を抜き、呼吸は深くゆっくりと行うと、不快感が軽減されやすくなります。鎮静剤を使用することで意識がぼんやりとすることがありますが、そのぶん痛みや緊張を感じにくくなります。
医師や看護師が体調の変化を見ながら検査を進めるため、不安を感じたらすぐに伝えるようにしてください。
検査後の過ごし方:回復と注意点
検査後は回復室で安静に過ごし、体調が落ち着いたら飲食再開となります。胃カメラ後は1時間ほどで水分から摂り始め、大腸カメラ後はガス感を自然に抜くことで不快感が軽減されます。
鎮静剤を使用した場合、当日の運転は避け、無理な運動や入浴も控えることが必要です。生検やポリープ切除をした場合は、腹痛・血便・発熱などに注意し、異常があれば速やかに医療機関に連絡してください。